どう対峙する?カスタマーハラスメント
階層別・テーマ別研修講師の中村夢美子です。
「お客様は神様です。」とは、昭和の大歌手、三波春夫さんがインタビューに応えたことから広まったそうですが、その真意は「歌う時に、あたかも神前で祈るように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な芸をお見せすることは出来ない。ですから、お客様を神様とみて、歌を歌うのです」という趣旨のことを言っていたそうです。
それがいつの頃からか、一部のお客様の側が、度を超えた申し出をする際に「お客様は神様だろう!」などと言うようになったのですね。昨年暮れから今年にかけて、カスタマーハラスメント対策の研修をお問い合わせ、ご依頼頂くことが複数あり、研修を担当しております。
厚生労働省も様々な対策をとっていて、令和4年2月、顧客等からの著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント)の防止対策の一環として、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」や、マニュアルの概要版であるリーフレット、周知・啓発ポスターを作成し発表しています。
マニュアルやリーフレットには、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応など、カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを記載していて、いずれも厚生労働省ホームページからダウンロードできます。
企業・お店にとっての難しさは、業界によっても、どこまでが正当なクレームで、どこからがカスタマーハラスメントなのか、明確な線引きがしずらい事、これまでの商慣行と決別して、「ここから先は対応できません」とけじめをつけることの困難でしょう。
しかし、度を過ぎたカスタマーハラスメントに対して社員さんの心を守る対策をしなければ、社員さんの尊厳を守ることができない、人財不足の中で企業が立ち行かなくなる、コンプライアンスに反することなどを徹底して考えていかなければならない社会情勢になっていると言えます。
正当なクレームは私たちに良質な情報をもたらしてくれますが、ずいぶん前から言われているように、社員さん満足(ES)に裏打ちされて初めて顧客満足(CS)があるのですし、この対策が、多くの善意のお客様へのより良いサービス提供につながります。
経営陣・管理者層の覚悟と事前の対策をもって、カスタマーハラスメントへの対応者を孤立させない、安心感のある職場でありたいものです。
別件を失礼致します。
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