今から始める自分と親の終活のコツ

夢プロ10メルマガをお読みのみなさま、こんにちは。
FPでキャリアコンサルタントの大久保です。

最近、80歳目前の実家の母が携帯電話をスマートフォンに切り替えたため、私も何かと忙しくしています。というのも母の認知症予防も兼ねてスマホに挑戦してもらっているので、スマホの使い方を教えたり、LINEでその日の出来事などを送ってもらい返事したりと、色々しているからです。

コロナ禍もあり母にはなかなか会えませんが、スマホのおかげで電話やSNSの機会が増え、オンラインでテレビ電話も可能になるなど、工夫次第でやりとりが密にできるようになりました。そうすると母の気持ちや健康状況が確認できますし、私の暮しぶりや仕事の近況も伝えられるのでお互い安心できます。

母の年齢を考えると、そう遠くない時期に介護が必要になるかもしれません。いざという時に介護や医療をどうしたいのか、母の希望を私なりに把握しておく必要があります。ちょっと寂しいですが、最近私は親の「終活」を考える時期が、目の前に迫っていると考えるようになりました。

そこで今回は、親世代のこれからの「終活」を進めていくために、私たち子世代が知っておきたい「終活」に関する情報をまとめてお知らせしたいと思います。

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1、「終活」とはこれからをどう生きるかを考える活動
 そもそも「終活」とはどんな活動でしょうか。簡単に言えば「自分の人生の終わりについて考える」活動であり、「これからどう生きたいかを考える」活動です。自分の望む人生を生きるために、心と人生の整理整頓をする「具体的」な活動のことを言います。具体的には、身の回りの整理、財産の相続を円滑に進めるための計画、葬儀や墓の準備などを行います。

2、終活するメリットは沢山ある
 終活する効果は以外と多いと思います。終活に取り組み始めたら、ぜひその内容をご家族にお伝えください。ご家族があなたの気持ちを知り、コミュニケーションが図られ、そのことで気持ちが前向きになり、これからの生活がきっと充実するはずです。

 また、相続に絡む「万が一のトラブル」を避けられる可能性が高まることも期待できます。あなたはこれまで、相続時にお身内で争うことになった「争族」のお話をお聞きになったことはないでしょうか。あって欲しくない将来の火種を未然に防ぐためにも、終活は役立ちます。

3、一般的な終活の進め方
ここからは、具体的な終活の進め方をご紹介します。

 1)これからの生活について考えてみる
  はじめに、ご自身のこれからについて考えてみます。この後どう暮らしたいか、家族や友人との関係について、万が一の医療や介護サービスはどうしたいのかなど、普段はあまり考えることがないことでも終活ではあえて向き合ってみましょう。

 これからの万が一を考えるツールとしては、「もしバナゲーム」などがおすすめです。
 → 人生の最後にどうありたいかを考えるカードゲーム「もしバナゲーム」
   https://www.i-acp.org/game.html

 2)身の回りのモノを整理する
  次に取り組みやすいのは、身の回りのものを整理することです。ふだん使いのものや大切なもの、捨てるものや捨てられないものなど、私たちはたくさんのものに囲まれて暮らしています。この機会に整理整頓に取り組んでみましょう。ものを片付けながら、いろんな気持ちや思い出が浮かんでくるかもしれません。また片付けられない場合にも、実は自分でも気がつかない隠れた思いがあるかもしれません。ものを片付けながら、気持ちも整理していきます。
 
 具体的には、以下のように、モノを「4つの分類」に分けて整理整頓します。
  ①「いるモノ」は、日常的に使います。
  ②「いらないモノ」は、捨てたり、人にあげたり、売ったりして処分します。
  ③「残したいモノ」は、大切に保管します。
  ④「どうしようか迷うモノ」は、期限付きで保管し、必ず定期的に見直します。

 3)エンディングノートなどを記入する
  「エンディングノート」は、自分の死後、家族の負担を減らすためのものです。現状を整理し、自分の思いや希望を書き記します。正式な規格があるものではなく、法的な効果はありません。いろいろな団体や出版社などから発売されていますし、市町村でも配布されています。一度手にとってみることをおすすめします。

 4)必要であれば遺言書を書く
  「遺言書」は、遺産相続を円滑にするために意思表示をするものです。財産の相続人や分配を明確にするなどの法的な効果があります。有効性を担保するために書式に決まりごとがありますので、事前に情報を得てから作成するのが良いでしょう。

 5)専門家に相談する
  ご自身の終活で不安なことがあったり、どうしたら良いか気になったときには、専門家に相談するのも良いと思います。終活に関連して頼りになるのは、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士、また公証役場にいる公証人などの専門家です。またファイナンシャル・プランナーなども頼りになります。

 6)葬儀やお墓のことなどを決める
  普段はなかなか考えることがないことを、この機会に考えてみましょう。病気や介護状態になった時の治療や、介護が必要になった時のサービスはどうしてほしいのか、また最後の時の延命などの意思について、さらには自身の葬儀やお墓のことなども、考え、取り組んでみましょう。それに伴って、お金の準備も必要です。

  最近では、お元気なうちに生前葬を執り行う方や、自分の葬儀や墓所を、樹木葬や自然葬、宇宙葬など新しい方法で弔って欲しいという方も増えているようです。いずれ間違いなく、いつかは自分の葬儀は執り行われます。葬儀は、自分が今までどんな風に生きてきたのかを最後に示す機会と捉えてみるのも、大切かもしれません。

4、親の終活に取り組むときに
 さて、ここまでは自分自身の終活の仕方についてご紹介してきました。一方、自分の親世代の終活に取り組む時に、ある心理的ハードルが立ちはだかりそうです。それは親からの抵抗です。将来を考え、良かれと思って親に終活を持ち出した時に、「自分の人生は自分で決めるから」「自分自身の死を考えたくはない」など、大きな抵抗があるかもしれません。

 親の終活に取り組む時には、親の人生経験と感情や健康に配慮しながら「焦らず」進めていくのが大切です。

 1)親の終活で大事なことは、コミュニケーションです。
  ①親と子ども自身の双方の意見を尊重しましょう
  ②まずは子どもができるだけ先導して進めましょう
  ③何より子ども自身が終活の内容を体験してみてから勧めましょう
 
 2)親の終活に取り組むメリットは「もしも」の時のために。
  ①もしもの時に落ち着いて行動できます
  ②現在の親の気持ちや状況を把握できます

 3)具体的にやっておくことも確認しましょう。
  ①専門医やかかりつけ病院を聞いておきましょう
  ②身の回りの整理を一緒に進めましょう
  ③財産について話し合っておきましょう
  ④葬儀やお墓の希望を尋ねておきましょう
  ⑤エンディングノートを一緒に取り組みましょう

 4)親に終活のことを持ち出すには、ちょっとしたコツがあります。
  ①日常の会話で老後のことを語り合いましょう
  ②終活イベントやセミナーなどに一緒に参加しましょう
  ③知人や親戚の葬儀などに参列した時は、終活を切り出すタイミングです。  
   有名人の訃報を聞いた時に、さりげなく持ち出すのもコツです。    

5、まとめ 
終活は「死」の準備ではなく、「生きる」ために心と人生を整理整頓する活動です。親の終活に取り組もうとする場合は、先に自分自身の終活に取り組んでみましょう。その上で、親の人生や思い、気持ちに寄り添って、焦らず進めていくことが大切です。
 
 まずは私たち自身が自分のことを知り、その上で親のことをしっかり知ることが、「親の終活」に取り組む第一歩なのです。
 
 
ご相談はいつでもどうぞ
合同会社福々舎 代表 大久保名美
ファイナンシャル・プランナー、キャリアコンサルタント、生前整理アドバイザー2級
TEL:090-9534-4546 e-mail:hukubukusya@gmail.co

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